有言実行のタイトル獲得だ! 阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)が今季36盗塁で「盗塁王」に輝いた。

「それ(盗塁王)は一番目標にしていたことなので、(タイトルを)取れたってことは良かったです。ただ数字や目標などで、まだ(達成が)できていない部分もある。来年も(目標を)意識しながらやっていきたい」

ドラフト指名時から「新人王と盗塁王」の獲得を目標としてきた。相手バッテリーの研究を重ね、自慢のスピードにも磨きをかけた。盗塁は36個で盗塁死は15回。プロ1年目の今季は何度も失敗を重ねて、成功をもぎ取ってきた。

スタートは「頭」で切る。投手から野手に転向した関学大時代から体に染みこませたスタートが、近本を加速させる。「足を前に出すというよりは、体を前に倒して。頭を二塁(方向に)持っていく感じ」。倒れ込むように切るロケットスタートで低姿勢を保つから、速さを増している。

チームは6連勝でシーズンフィニッシュ。大逆転でCS出場も決めた。この日は無安打だったが、今季はリーグ新人最多安打記録を更新する159本のヒットを放って、勝利に貢献してきた。「短い調整期間ですけど、しっかり(状態を)合わせたい。こうなれば自分の結果より、チームの結果」。初めて過ごすシーズンを、まだまだ終わらせる気はない。攻めの気持ちで突き進む。【真柴健】

▼近本が36盗塁で、盗塁王のタイトルを獲得した。新人の盗塁王は01年の赤星(阪神)以来、プロ野球3人目。なお、この日はノーヒットに終わり、159安打で1年目を終えた。新人安打記録はプロ野球3位で確定した。