最後は「4番」で決めた。阪神大山悠輔内野手(24)が大一番で先制適時打を放った。

0-0の4回。1死から中日は先発大野雄から2番手三ツ間にスイッチ。すかさず2番北條が左翼前へチーム初安打を放ち、続く福留が四球。1死一、二塁で打席が回ってきた。7球目の内角ツーシームを捉え、中前にはじき返すタイムリー。決勝点となり、チームトップ13度目の勝利打点だ。「大事な試合だったので。あそこで先制点を取ることができて良かった」。塁上で筒井一塁コーチとハイタッチを交わすと、珍しく感情を表に出して喜んだ。

3年目、初の「開幕4番」でスタートした今シーズン。1年を通して、4番の座を守ることはできなかった。打撃不振により、8月10日広島戦で6番に降格。その後は一時期、7番にまで打順を下げて三塁の先発を北條と争う時期もあった。打撃が上向かない中では「スイングの前(フォロー)が小さくなっている」と浜中打撃コーチ指導のもと、普段は行わないロングティーを取り入れることもあった。「いろいろあります…」と多くは語らなかったが、常に理想型を追い求めて続けてきた。マルテの離脱によって9月28日DeNA戦から再び座った「4番」で最高の結果を残した。

CS進出をかけたシーズン最終戦。勝たなければ、先輩鳥谷との時間も終わりだった。「次につながった。これでまた、鳥谷さんと1日でも長く野球ができる。感謝の気持ちを込めて残りの戦い、CSを戦っていきたい」。背番号1との時間をつなぐ、大きな一打にもなった。【奥田隼人】