阪神が17日のドラフト会議で捕手を指名する方針を固めていることが1日、分かった。

星稜・奥川恭伸投手(3年)を1位の最有力に挙げ、競合した場合の外れ1位候補に浮上するのが、東海大・海野隆司捕手(4年=関西)だ。強肩強打が売りで、今夏は日本代表として日米大学野球で本塁打も放った。センスの高さが光る東洋大・佐藤都志也捕手(4年=聖光学院)も有力候補で、高校生では智弁和歌山・東妻純平捕手(3年)や星稜・山瀬慎之助捕手(3年)らもリストアップ。次世代の捕手陣を構築していく。

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梅野が正捕手として活躍する阪神は将来を見据えて今秋ドラフトで捕手を指名する方針を固めていることが判明した。昨年ドラフト直後の早い段階から捕手強化のアウトラインを編成部門で共有。球団幹部も「捕手をとらないといけないですね」と方向性を認めた。

筆頭候補に挙がるのが東海大・海野だ。173センチと小柄だが、強肩強打を誇る好素材で今夏は大学ジャパンメンバーとして日米大学野球で本塁打を放つなど奮闘した。最大の売りは「鬼肩」だろう。球団関係者が「とにかく肩が強い」と舌を巻くように、送球は安定感抜群。二塁送球1秒73は大学トップ級で「海キャノン」と称される。キャッチングにも定評があり、捕手としての総合力が高い。阪神は最速158キロの星稜・奥川恭伸投手(3年)を1位の最有力候補に挙げるが競合は必至。海野を外れ1位など、上位候補に想定する。

東洋大・佐藤も同等に近い評価を下す。3月の練習試合から担当スカウトを派遣。継続的にマークしている。「打てる捕手」の呼び声高くシュアな打撃が持ち味だ。パンチ力に加え、50メートル5秒9の俊足が際立つ。大学球界関係者も「とにかく足が速い。プロでは外野手もいける」と説明するほどだ。3年時から日本代表に選ばれた。同大学でソフトバンク甲斐野、DeNA上茶谷、中日梅津とバッテリーを組んだ経験も大きい。

阪神は今年も梅野が正捕手に君臨した。28歳でプレーヤーとして心身ともに充実期だが、球団はスキを見せない。2番手の坂本も25歳。さらに次世代を見据えて、捕手の複数指名も視野に入れて獲得を目指す。大学生では慶大・郡司裕也捕手(4年=仙台育英)にも注目。高校生では甲子園で2本塁打など右打ち強打者の智弁和歌山・東妻や星稜で奥川とバッテリーを組んだ山瀬も候補入りする。今年のドラフト市場は捕手が豊作。将来の司令塔も重要な補強ポイントになる。

◆阪神の19年捕手事情 今年も梅野が活躍し、正捕手の地歩を固めた。129試合出場で打率2割6分6厘、9本塁打、14盗塁。シーズン123補殺はプロ野球新記録となった。2番手の坂本は20試合でマスクをかぶり、27歳の原口17試合、25歳の長坂2試合と続く。捕手最年長36歳の岡崎は5年ぶりに1軍での出場機会がなかった。33歳の小宮山は3年間、1軍から遠ざかる。7月末に育成から支配下選手登録となった片山は1軍でのプレー機会はなかった。