最強のビッグベイビーが日本シリーズに乗り込む。巨人岡本和真内野手(23)が、阪神とのCSファイナルステージ第4戦で豪快な同点ソロを放った。

5回に阪神西から今CS3号となる値千金弾。4試合で3発含む7打点の大暴れで、CSのリーグ最年少MVPを獲得した。同点の6回2死三塁には丸佳浩外野手(30)が衝撃のセーフティーバントで決勝点を奪い、阪神を4勝(アドバンテージの1勝含む)1敗で退けた。7年ぶりの日本一へ6年ぶりの挑戦権を得た。

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岡本が、恥ずかしそうに背中を丸めた。試合後のセレモニーでMVPに選出された若き主砲はボードを遠慮がちに掲げると、すぐにチームメートの列に戻った。「ああいうのは初めてなので、恥ずかしかった。どうしていいかわからなかったです」。あまりの淡泊さに原監督からツッコミが入り、余計に照れて体が小さくなった。

堂々と4番を張った。1点を追う5回無死。阪神西の初球、スライダーをバックスクリーンへ放り込んだ。沈黙していた打線を1発で目覚めさせ、逆転勝利へと導いた。全4試合で安打、打点をマークし、打率、本塁打、打点でチーム3冠の大活躍。ビッグベイビーと命名した指揮官も「非常に頼もしく、少し大人になったような気がします。乳歯が抜けたってとこだね」と成長を認めた。

赤パンで験担ぎした矢野監督に対し、黒の“スラパン”で勝負に出た。シーズン後半戦から着用し、練習用は股の下が破れてポロリ寸前? 試合用は左膝周辺がボロボロだが「まだ使えるし、いい感じなんで」とCSでも愛用。前半戦の不振から復調、さらに好調へと好転させた吉兆のスライディングパンツをユニホームの下に忍ばせ、躍動した。「(7年ぶり)日本一に向けて、何とかチームのために貢献したいです」。自身初の日本シリーズ、乳歯が抜けたビッグベイビーに牙が生えた。【久保賢吾】

▼23歳の岡本がファイナルSで打率5割3分3厘、3本塁打の活躍でMVP。CSファイナルSの最年少MVPは07年ダルビッシュ(日本ハム)の21歳だが、セ・リーグでは13年菅野(巨人)の24歳を抜く最年少。野手でも両リーグを通じて最年少MVPとなった。

▼岡本が5回の同点本塁打で<1>戦から4試合連続打点。プレーオフ、CSの連続試合打点は17年内川(ソフトバンク)の5試合が最長だが、セ・リーグでは08年1S<1>戦~2S<1>戦ウッズ(中日)09年1S<1>戦~2S<1>戦和田(中日)18年1S<2>戦~ファイナルS<3>戦マギー(巨人)に次いで4人目のタイ記録。同一ステージで4試合連続打点はセ・リーグ初。