両投げ投手が、ついにデビューした。立大・赤塚瑞樹投手(4年=麗沢瑞浪)が5-1の8回、2番手で登板。東大打線を3者凡退に抑えた。両投げ両打ちだが、今春終了後、左投げを封印。こだわりを捨てて戦力に徹し、勝利に貢献した。

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赤塚の投球練習は目まぐるしかった。右で2球投げると、6本指の両投げ用グラブを左手から右手にはめ直し、左で2球。最後は再び右で3球。試合は左打者にも全て右で投げたが、「体のバランスが右投げに生きる」と左投げの練習も欠かさない。140キロの直球にスライダー、チェンジアップを交え3者凡退。「落ち着いて投げられました」と上々のデビューだった。

元々右投げだが、父の勧めで小2から左でも投げる。ただ、最速144キロの右に対し、左は135キロ止まり。溝口監督と話し合い、今春後から試合は右投げに専念する。「目標の両投げでマウンドに上がることは今はできなかったですが、そこが全てではない。まずは神宮に立てました」と、こだわりを封印した。卒業後は渡米し、プレーヤーとトレーナーの“二刀流”を目指す。その前に「新しい可能性の成功例になりたい」と目を輝かせた。

▽立大・溝口智成監督(赤塚の起用に)「今日のように、短いイニングで徐々に使っていきたい」