青森山田・堀田賢慎投手が巨人から1位指名を受けた。

野球部研修センターで部員約70人と中継を見守っていた。指名の瞬間は驚きの表情を浮かべた。部員たちが大歓声を上げ祝福すると、ようやく笑顔を見せた。「1巡目とは思ってもみなかった。不思議な気持ち。今まで夢に見たプロの世界に近づき、楽しみです」と徐々に実感が湧いた様子。「あこがれの投手は菅野さん。ストレートも変化球も質がすごい」と大先輩を目標に挙げた。

185センチ、80キロの右本格派。最速151キロの速球と多彩な変化球に、制球力も抜群。1年秋から公式戦に登板し、2年秋からエースになった。だが秋の県大会準決勝で八戸学院光星に14安打を浴び、1-17で5回コールド負けを喫した。

奮起した。冬の間に食事、トレーニングで体づくりに励んだ。2年秋まで181センチ、64キロと線が細かったが、今春は見違える体格になり、球速も10キロ以上アップ。「光星に負けたあの試合がなければ、今の自分はなかった」と振り返る。

岩手・花巻市出身で、花巻北中時代は花巻シニアでプレー。花巻東は近かったが、投手出身の兜森崇朗監督(40)を慕って青森山田に進んだ。

1年夏、青森山田は甲子園に出場したが、堀田はスタンドから声援を送った。高校時代に甲子園のマウンドは踏めなかったが、人生の夢実現が近づいた。高校入学時の最速は125キロ。入学時からその素質に注目していた兜森監督は「3年間、駆け足で成長した。真面目で堅実に練習、トレーニングに取り組んだ成果」という。「岩手から青森に来て不安もあったが、先輩や仲間のおかげでここまできた。プロでは最速160キロが目標。これからプロでやれる体づくりに励みます」と力を込めた。【北村宏平】