97年阪神1位の智弁和歌山・中谷仁監督(40)にとって、2人の教え子をプロに送り出すドラフトになった。

まず名前を呼ばれたのは、黒川史陽(ふみや)内野手(3年)。かつて自身も在籍した楽天の2位指名を受けた。黒川と並んでの指名会見では、同じ智弁和歌山の主将として悩みを分かち合った逸話も披露。「チームがなかなか思うようにいかなくて。キャプテンとして悩んで、涙をぽろぽろ流したあの室内(練習場)での夜のことは、ぼくも忘れません」と、昨秋の近畿大会和歌山県予選のころのことを思い起こした。黒川については「とにかく努力し、練習をよくやる子。ここまで努力する選手がどういう選手に育っていくのか、楽しみです」とエールを送った。

続いて東妻純平捕手(3年)がDeNAから4位で指名された。同じ智弁和歌山の背番号2を背負った、分身とも言える後輩捕手。高校入学後に本格的に捕手となった東妻に対し「今は丈夫な体と強い肩でプロに進んでいこうとしている。配球や技術的なことなど、まだまだこれから磨いていかなければならないことはたくさんあります」と語り「一番しかってきた選手。これからプロに送り出すまでまだまだ一緒に練習して」と、手放す日までやれる準備をしっかりと整えさせる。