阪神矢野燿大監督(50)が18日、大阪市の電鉄本社で藤原崇起球団オーナー(67)に、シーズン終了の報告を行った。約30分の会談後、会見に臨んだ指揮官は「CSファイナルでジャイアンツに負けた悔しさが、より大きくなっている。来年、強くジャイアンツを倒したいな、という思いが強くなってきている」と来季のG倒を力強く宣言した。

CS敗退から5日が経過しても悔しさは消えず、思いは強くなっている。夏場に失速したが、シーズン終盤から破竹の6連勝でAクラスに滑り込んだ。その勢いに乗って臨んだCSファーストステージではDeNAを撃破。巨人とのファイナルステージで力尽きるも、昨季の最下位から就任1年目で眠っていた虎をたたき起こした。

それでも現状に甘んじる矢野監督ではない。その頭には今季の収穫と課題が渦巻いていた。投手陣の防御率は3・46はリーグトップ。昨季1勝の青柳が9勝を挙げる活躍で、FA加入で10勝を挙げた西とローテーションを支えた。指揮官が「本当に頼もしかった」と話す鉄壁のリリーフ陣は最後までフル回転だった。一方でチーム総得点538はリーグ6位、12球団ワーストの102失策と攻撃面、守備面で課題が残った。

矢野監督は「今のタイガースはまだ強くないと思ってます」と断言した。意識の重要性を説く。100本ノックを例に挙げて「ただ受けたからって自分の目指すところとやるべき事とどうしたいのかを理解していないと、ただ100本受けるだけでは内容と意味が違ってくる」。数日後には秋季練習がスタートする。実りの秋を経て2年目のシーズンへ。来季は王者巨人を倒して15年ぶりのリーグ優勝を目指す。【桝井聡】