巨人は手痛いミスから負の連鎖を生み、7年ぶりの日本一を目指すチャレンジは連敗からのスタートになった。

張り詰めた緊張感が漂う7回、守備から途中出場したばかりの山本が、先頭デスパイネの三塁ゴロをファンブル。無死一塁から代走のスペシャリスト周東を送られた。大きくリードを取り、ジリジリ重圧をかけられると、大竹が走者を気にして制球を乱す。3-1からランエンドヒットを決められ、松田宣の3ランで重い3点を失った。

7回は4番から右打者が3人続く局面。6回まで1安打に封じていた左腕メルセデスを降板させ、内角に食い込むシュートが持ち味の「右キラー」大竹を送り込んだ。原監督は「非常に飛ばしていた。6回までナイスピッチングというところでバトンを渡した」と説明。メルセデスの球数は76球。足の張りを訴えていたことに加え、シーズン中から終盤に突如崩れるケースがあり、積極継投に入ったが結果は裏目に出た。

大竹以降も桜井、高木と失点を重ね、第1戦のマシソン(1失点)田口(3失点)に続き、リリーフで登板した6投手中5人が失点を重ねた。打線はソフトバンク高橋礼に7回2死まで無安打に封じられ、1番亀井、2番坂本勇、3番丸は計9打数無安打。3人で2試合計19打数1安打と快音が出ていない。指揮官は「1、2、3番は、うちの円熟期の選手たち。1日おいて彼らが暴れるでしょう」と奮起を期待した。

中継ぎ陣、打線と思うような結果は出ていないが、戦いは続く。前回ソフトバンクと対戦した00年の「ON対決」は、2連敗から4連勝を飾って日本一になった。「やられたらやり返す。その1点ですね」。21日には東京に戻り全体練習で汗を流す。本拠地で心機一転、腰を据えて戦っていく。【前田祐輔】

▽巨人山本(7回無死の失策が失点につながり)「悔しいです。イージーだった。まだまだやるべきことはたくさんある」

▽巨人大竹(7回から登板。ソフトバンク松田宣に3ラン)「投げきってはいた。エラーが出た時こそ抑えたかった。野手には申し訳ない」

▽巨人高木(4点を追う8回1死一塁から登板し、福田にカーブを2ランされ)「反応で打たれた」

▽巨人吉村打撃総合コーチ(ソフトバンク高橋礼について)「真っすぐに力があったし(変化球で)タイミングをずらされた」

▽巨人丸(ソフトバンク高橋礼に3打数無安打)「甘い球がきた時に自分のスイングができるようにという考えだった。(シンカーは)シーズン後半から使っているという情報はあった」