ソフトバンクが4連勝で球団史上初、90~92年の西武以来27年ぶりとなる3年連続日本一を達成した。

守護神森が最終打者となった巨人坂本勇を三振に仕留めるとマウンド付近で歓喜の輪ができた。工藤監督が、孫正義オーナーがともに10度ずつ胴上げで宙を舞った。シリーズ3本塁打のグラシアルがMVP、優秀賞は高橋礼、デスパイネ、松田宣、敢闘賞は巨人亀井。

工藤監督は感無量の様子だった。

「本当に最高の気分です。僕を胴上げしてもらって申し訳ない気持ちでいっぱいだし、もっともっとできたんじゃないかと思う。選手たち、コーチたちが少しずつ勝ってくれることで勇気をもらってここまでこれた。みんな本当にありがとう。昨年もリーグ優勝を逃して日本一になった。スローガンをダッシュにして頑張ってきたけど僕の力不足でリーグ優勝できず選手に迷惑を掛けた。最後は笑って日本一になりたいとここまできた。CSファーストステージ(第2戦)から10連勝。すばらしい選手、仲間とコーチ、スタッフと野球ができた。こんな幸せ者はいない」と声を震わせた。

リーグ2位に終わったソフトバンクだが、今年のポストシーズンはCSファーストステージ第2戦から10連勝で頂点まで駆け上がった。日本シリーズは昨年の第3戦から最長タイとなる8連勝(過去3度)で締めくくった。

00年には巨人長嶋監督とダイエー(現ソフトバンク)王監督による「ON対決」が実現し長嶋監督が日本一に。この日東京ドームで試合を見守った王会長にとっても20年越しの雪辱となった。

ソフトバンク無傷の日本一は、南海時代の59年、巨人に4戦4勝して以来60年ぶり2度目となった。59年当時は杉浦忠が野村克也とバッテリーを組み、4連投4連勝で杉浦がMVPだった。

またソフトバンク球団初となるセ6球団制覇となった。

序盤は投手戦で幕を開けた。巨人菅野、ソフトバンク和田がともに3回まで無失点に抑えた。先手を取ったのはソフトバンクだ。グラシアルが4回に2戦連発となる3号3ランで先制した。巨人も6回に反撃し4番岡本の右越え1号2ランで1点差と詰め寄った。

ソフトバンクは7回1死一、二塁から二塁ゴロ併殺をねらった二塁手山本の悪送球が適時失策となり加点、リードを2点差と広げた。

2点を追う巨人は7回に丸のシリーズ初安打となる左越え適時二塁打で1点差とした。

ソフトバンクは先発和田が5回無失点の好投。中継ぎ5人を投入し逃勝ち切った。

巨人は12年を最後に7年間日本一から遠ざかり、球団最長タイ(74~80年、82~88年)のブランクとなった。今季限りでの引退を表明している巨人阿部慎之助捕手は6回2死一塁から代打で登場し死球、そのまま一塁に入り8回の第2打席は二塁ゴロに終わった。