中日から育成ドラフト1位指名を受けた名大・松田亘哲(ひろあき)投手(22=江南)の入団交渉が、ドラ党の聖地「中華料理ピカイチ」で行われることが10月31日、分かった。

名古屋・今池に店を構える「ピカイチ」は創業54年。庶民派中華料理店で、故・星野仙一元監督も足しげく通ったドラ党なら誰でも知る有名店だ。店内には竜のレジェンドたちのサイン、写真、ユニホームなどが所狭しと飾られている。

「育成選手なので、ファンが集う場所でやろうと。ファンヘの紹介も兼ねている。ファンに親しんでもらえる選手になって、支配下を目指して欲しい、意味も込めている」と、加藤宏幸球団代表(60)は理由を説明した。

松田は地元愛知県出身。創部70周年の名大野球部から初のプロ野球選手になる。旧帝大系では東大、京大に次ぐ3校目のプロ指名。変わり種育成選手に、“聖地”デビューが演出された。「ピカイチ」で入団交渉を行うのは球団史上初。15年育成4位の西浜が、みそかつ店「矢場とん」で入団交渉して以来、竜の聖地巡礼交渉になる。

昨オフに就任した与田監督が11月に初の首脳陣全体会合を行ったのも「ピカイチ」。松田の入団交渉会場に選ばれたのも、期待の裏返しだ。黒縁メガネの最速148キロ右腕に、さっそく燃える男のエネルギー源が注入される。