ソフトバンク内川聖一内野手(37)が、プロ19年目で「悲願」の三井ゴールデン・グラブ賞(一塁手部門)を手にした。プロ18年目で受賞した中日森野を抜いて、史上最遅での初受賞だ。

内川 夢みたいです。夢が現実に、という気持ちで、うれしいという言葉だけでは言い表せないです。

今季は一塁手として、リーグ初、プロでは3人目のシーズン守備率10割を達成した。過去2年は故障もあり出場も少なかったが、今年はベテランながら開幕から故障者続きのチームを引っ張り137試合に出場。130試合で一塁を守り、ゴロの好捕だけでなく、内野からのワンバウンド送球を巧みにキャッチしてチームを救うこともあった。「今年は守備でチームに貢献したと感じる年でもあった」。打撃はもちろん、ミスのない確実な守備で、しっかりチームを支えた年でもあった。

2000安打達成、右打者最高打率、両リーグでの首位打者に輝いている「ヒットマン」が、ついに守備でも大きな勲章を手にした。「過去の打撃のタイトルもうれしかったですが、守備を評価していただいたことを野球選手として誇りに思います」。遊撃手として、外野手としても、賞に輝くことがなかったが、名球会入りを決めた後に、新たに一塁手としての金字塔を打ち立てた。このタイトルをはずみに、ベテランがさらに上の境地を目指す。【浦田由紀夫】