阪神秋季キャンプ初日の10月31日、ブルペンで矢野燿大監督(50)から熱視線を浴びたのは、復活を目指す左腕だった。

横山雄哉投手(25)。14年ドラフト1位で入団。だが、18年8月に左肩のクリーニング手術を受け、オフに育成契約。今季は2軍戦8試合に登板。背番号115から、支配下復帰に挑んでいる。

この日、54球の投球練習。見守った矢野監督が「ナイスボール」と声をかける場面もあった。指揮官は捕手の後ろから球筋もチェック。「良かったね。今日のボールを見たら(球の)強さがあった。腕も振れていた。面白いな、いいボールを投げていたなという印象。真っすぐに力が出るからこそ、フォークもあいつの中でウイニングショットになる」と球の力が戻りつつあることを認めた。

復活への思いを横山も言葉にした。「(首脳陣に提出した)リポートにも書きましたが、失うものはない。いろんなことにチャレンジしていきたい。こういう機会をもらったのでアピールしたい」。この秋のテーマは「強い真っすぐを投げること」。1歩1歩、2ケタ番号への歩みを続けていく。