16年に覚せい剤取締法違反で有罪となり、執行猶予中の清原和博氏(52)が7日、グラウンド復帰を果たした。

「監督」を務める「WorldTryout2019」の予選会(サーティーフォー保土ケ谷球場)を視察。有罪判決を受けてからは初めてとなる野球関連の仕事で、若手選手たちの懸命なプレーに熱い視線を送った。NPB、MLBスカウトらを集めた本番のトライアウトは30日に神宮球場で行われる。

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いるべき場所は、やはり球場だ。清原氏は30日の本番出場を希望する若手約40人の必死のアピールを、真剣な表情で視察した。印象に残った選手について「それは秘密です」と笑顔でかわしたが、バックネット裏から試合、本塁打競争を見つめた。終了後のインタビューでは「グラウンドに立てたことにすごく感謝しています。若い選手たちが一生懸命野球している姿を見て僕自身、胸がわくわくしましたし、野球を楽しんでいる選手たちがうらやましく感じました」と、うれしそうに話した。

喜んだのは本人だけではない。スタンドのファンも同じ気持ちだ。閉会あいさつで「(30日に)1人でも多く神宮球場に足を運んでいただき、若い選手たちを応援していただければ」と呼び掛けると、「清原さんも頑張ってください!」という声が飛んだ。

球場で声援を浴びるのは引退後、初めてになる。「あらためてファンの方々の声援は力を与えてくれると思いました」。主催したワールドトライアウト社・加治佐CEOも「平日の保土ケ谷球場に、我々の想像の倍以上となる300人ものお客様が来ていただいて」と、その人気に驚いた。

本塁打競争では兼子紘明内野手(きらやか銀行)速水隆成捕手(BC・群馬)がともに6本で優勝した。両選手を含めた予選会参加者から清原氏が選んだ15人程度が、元NPB選手や元ヤクルトのカラシティーら外国人選手らとともに30日の本選に挑む。その日はユニホーム姿で実際に指揮を執る予定。清原氏は「久しぶりの神宮球場。自分自身楽しみにしています。背番号はお楽しみということで」と話した。【千葉修宏】