プロ入り後の研究テーマは「根尾昂」!? 中日育成ドラフト1位の名大・松田亘哲(ひろあき)投手(22=江南)が7日、名古屋市の名大豊田講堂で松永幸男編成部長(54)らの指名あいさつを受けた。11日の仮契約を前に、中日入りして真っ先に会いたい選手に挙げたのは昨年ドラフト1位根尾だ。

「根尾君は人としてすごい。見習う部分、尊敬する部分が多い。年下だけど、どういうメンタリティーで野球をやってきて、ああなれるのか。1日をどうすごしているのか。自由時間をどうしているのか。どういう本を読んでいるのか、聞きたいですね」

最速148キロ左腕の興味は“人間根尾”だ。根尾は両親が医者で大阪桐蔭時代も文武両道。投手野手の二刀流で甲子園で春夏連覇を達成した、3歳下のスーパールーキーに興味津々だ。

先日行われた愛知大学リーグの2部、3部入替え戦で2試合完投勝ち。名大を18年春以来の2部に昇格させ、学生野球の有終を飾った。1月の入寮までは、体作りと卒論制作を並行させる。専攻は西洋経済史で卒論のテーマは「ナチスドイツの雇用創出政策」。第2次世界大戦でナチスドイツが台頭した背景を軍需経済から研究している。根尾は渋沢栄一の「論語と算盤(そろばん)」を愛読しているだけに早速、共通の経済分野で話が合うかも知れない。独身寮「昇竜館」で同じ屋根の下で生活するのは1月上旬から。黒縁メガネをトレードマークに体と頭を研ぎ澄まし、根尾に“弟子入り”する。【伊東大介】

◆松田亘哲(まつだ・ひろあき)1997年(平9)5月16日、愛知県生まれ。小学校1年から中学までは野球に打ち込んだが、江南高ではバレー部でリベロ。名大入学とともに野球に復帰。1年秋に140キロをマークし、プロを意識。最速は148キロ。176センチ、80キロ。左投げ左打ち。