慶大が早大を破り、9年ぶり13回目の優勝を果たした。先に終了した秋季リーグ戦とともにダブル優勝となった。

福井章吾内野手(2年=大阪桐蔭)が、早慶戦の悔しさをバットで晴らした。4回1死。先制となる右越えソロ本塁打。「早慶戦では僕が大事なところでミスをしてしまった。悔しいリーグ戦でした」と振り返った。早慶戦の第2戦。3点を追う5回に自らの適時失策で2点を失い、差を広げられた。終盤に追い上げるもの、あと1歩及ばずに敗戦。3戦目も落とし勝ち点を挙げることができず。完全優勝を逃した。「早慶戦はどんな試合でも負けられない。今日は、そんな気持ちで戦いました」。悔しさが福井に火をつけた。

大阪桐蔭時代、主将として17年センバツ制覇。その経験を生かした。内野手登録も、捕手として大学初のフルイニング出場。「日本一になるためには、準備をもっとしないと簡単には達成できない」と攻撃の間、時間があればブルペンに足を運んだ。「僕はコミュニケーションをモットーとしている捕手。普段、球を受けたことのない投手もいるので、いい準備をして入りたくて、できるだけ話しをした」。相手打線の状況や守備の状態、サインの確認。その場でできる最善の作戦を話し合い、試合に臨む。先発の丸谷浩太郎投手(2年=国学院久我山)が5回を無失点で抑えると、6回からは4投手の継投で完封勝利。「打つだけじゃなく、今日は捕手もできた。来年以降につながる。しっかりと試合を作られたことはいい経験になりました」と最後に笑顔を見せた。

試合終了後には今秋で退任する大久保秀昭監督(50)が「ナイスゲームでした。久しぶりの優勝だったな。明治神宮大会まで、もうちょっと頑張ろう」と、今リーグに参加した1、2年生と握手を交わし、選手たちをいたわった。

慶大は、11月15日から開催される明治神宮大会に出場し、日本一を目指す。福井は「守備を含め、良い状態で明治神宮大会を迎えられるように、もう1度準備をしていきたいです」と気持ちを引き締めた。