ソフトバンクに新たに入団した前楽天監督の平石洋介1軍打撃兼野手総合コーチ(39)が秋季キャンプ初日から「野手強化」に乗り出した。

合流初日の11日、秋季キャンプが行われている宮崎市のアイビースタジアムで就任会見に臨んだ後、練習を静かに見守っていたが、特打でティー打撃をしていた7年目の真砂に身ぶり手ぶりで直接指導。新しい背番号78のユニホームに袖を通したコーチが「始動」した。

平石コーチ 指導というわけではないが、悩んでいるような表情に見えたし、気になっていたところが吉本(3軍打撃)コーチの指導と同じだったので。

真砂は「左手の使い方でした。もう少し柔らかく使った方がいいと言われました」と説明した。右の長距離砲として期待されながらレギュラーが取れない真砂に手を差し伸べた。

練習前の就任会見では熱意を口にしていた。「久しぶりに気持ちが高ぶっている」、「選手とは腹を割ってつきあえる仲にならないといけない」。楽天監督からのソフトバンクコーチ就任にも「多少、複雑な思いはあったが、覚悟をもって決断した」と言葉に力を込めた。「野手強化」の期待を背負って就任した初日から気持ちがグラウンドに表れた。工藤監督も「私が気がつかないところも気がついてくれれば。経験もあるので選手の能力を上げてもらって総合的にも野手を見てもらう」と期待した。

小学校卒業まで大分で過ごした平石コーチは「また九州にもどってこられるとは思わなかった。うれしく思います」。“九州出身”コーチが、来季のリーグV奪回からの4年連続日本一に向けて、野手のレベルアップに挑む。【浦田由紀夫】

◆平石洋介(ひらいし・ようすけ)1980年(昭55)4月23日、大分県生まれ。PL学園では3年時に主将を務め、松坂大輔擁する横浜と延長17回の死闘を繰り広げた。同大-トヨタ自動車を経て、04年ドラフト7巡目で楽天に入団。11年現役引退。12年から育成コーチなどを務め、ヘッド兼打撃コーチだった18年は梨田監督の辞任後に監督代行となり、今季は監督でリーグ3位。175センチ、75キロ。左投げ左打ち。