屈指の強肩対屈指の俊足が実現した。1回裏、中大の攻撃。1死走者なしから五十幡亮汰外野手(3年=佐野日大)が四球で出塁した。2死となり、4番牧への初球で二塁へスタートを切った。50メートル走5秒6(手動計測。機械計測だと5秒8)の足を飛ばした。

東海大・海野隆司捕手(4年=関西)は、捕球後、すかさず二塁へ投げた。二塁送球最速1秒78の強肩で腕を振った。判定は…セーフ。

五十幡 相手が東海大に決まった時から、絶対、走りたいと思ってました。(東海大の1回戦である)東北福祉大との試合を見て、準備はできてました。(海野から)1つ決められたのは大きな自信につながります。これから、いい投手、いい捕手と当たっても、どんどんチャレンジしていきたい。

海野 (五十幡は)速いとは聞いていたけど、投手には意識させないようにしました。打者に集中させようと。刺せなかったけど、(投手へのサインが)直球だけという自分の世界には入らないようにしました。

五十幡、海野、それぞれの思いがあった。

試合は、東海大が序盤の3点ビハインドをひっくり返し、逆転勝ち。準決勝へ駒を進めた。海野は「自分たちは1回戦からやったことがプラスになる。自分たちの方が有利だと思ってました」と、1回戦はシードだった中大を破り、胸を張った。

一方、試合には敗れた五十幡は「日本一を取りたかったので残念です。この経験をリーグ戦でも出して、また(全国大会に)帰ってきたい」と誓った。