岩手・滝沢市出身の慶大(東京6大学)小原和樹内野手(4年=盛岡三)が、つなぎ役をしっかり務めて、優勝した00年以来の決勝進出を導いた。

6-1で勝利した城西国際大(関東5連盟第1・千葉県)戦に「6番二塁」で先発フル出場。第1打席の2回裏無死一塁で犠打を決めた7回には先頭打者で遊撃内野安打で出塁。本塁を踏んで貴重な追加点を挙げた。「上位と下位が同じバッティングをしてはいけない。良いイメージで出来たと思う」。ヘッドスライディングで赤土がついたユニホーム姿が、貢献度の証しだった。

今秋のリーグ戦は打率3割5分、8打点、6二塁打など、大学最高成績で初のベストナインにも輝いた。「自分は守備の安定感が攻撃につながったと思う。当然、誰よりも振り込んできたつもりですが」。連日、真っ暗なグラウンドで1人で壁当てをしての捕球を何千回と継続してきた成果が、攻守に結実している。

卒業後は全国放送局のアナウンサーに内定。20日の決勝が、野球人生最後の公式戦となる。「自分にとっても人生の一区切り。次のステージに踏み出すためにも勝利して終わりたい」。現在は週1回のアナウンススクールに通いながら両立。ヒーローインタビューを受けて、有終の美を飾る。【鎌田直秀】

▽慶大・柳町達外野手(ソフトバンクのドラフト5位。6回に中前適時打)「しっかり体重を残して、基本に帰ってセンター返しにしたことがよかった」

▽慶大・郡司裕也主将(決勝へ向け)「僕の大学野球は大久保監督によって作られたもの。絶対、日本一の監督にしたい」