20年東京五輪の前哨戦となるプレミア12で日本代表の世界一に貢献した金子誠ヘッドコーチ(44)が20日、所属先の日本ハムとの来季契約のため千葉・鎌ケ谷を訪れ、東京五輪へ向けた選手選考について思いを明かした。

輝かしい結末の裏で、不明瞭な理由による内々の代表辞退が、懸念材料として関係者の心に残った。選手個々の代表にかける熱量や本気度が、透けて見えた今大会。「監督は『(五輪までの)過程を大事にしたい』と言っていた」。28人から24人に縮小される東京五輪の選手選考に、少なからず影響を及ぼすことをにおわせ「当初、稲葉監督は長打力を求めていたけど、日本に長打を求めてもダメでしょ」と、走塁や小技で1点を取る戦術も可能な、バランス感覚に優れたチーム作りに期待した。

プレミア12は「バランスがすごく良いチームだった」とチームワークの勝利だったことを強調。献身的で複数ポジションをこなせる選手や、主役になれなくても「マッチ(松田宣)のような選手は、代わりが難しい。この先も必要なんじゃないか? と思わせるものがあった」と脇役の重要性も説いた。

日本が世界大会で優勝したのは、実に10年ぶりだった。「いい野球ができて良かったとは思うけど、ここからが大変。世界一を知った選手たちは、より侍(代表チーム)への意識を強く持ってくれるようになったと思う」。代表選考は年明けから本格化する。【中島宙恵】