昨オフに大腸がんを患いながら病を乗り越えた阪神原口文仁捕手(27)が24日、西宮市内の球団事務所で会見を行い、闘病の経緯や詳細を公表した。

今年1月8日に人間ドックを受診し、その当日に大腸がんを宣告されたという。1月26日に手術を受け、2月2日に退院するまでの入院期間中に病理検査の結果やステージ3bだったことを告げられた。2月6日から7月9日まで抗がん剤治療を受け、その治療を終えることになった7月9日が球宴のプラスワン投票選出と重なった。

発表に至った思いについて「一番最初に発表したとき『使命』と自分で言って、病気をしてからの詳細を話してなかったので、その中でここまでやれるというところを、今頑張っている人、病気(を抱えながら)でも頑張っている人に、発表することで、自分も治療しながらでも仕事復帰できるとか、スポーツできるとか、そういうところを伝えられたらという思いで発表したいと考えました」と語った。

原口は今季、6月4日ロッテ戦で1軍復帰。その復帰初打席で左越えの適時二塁打を放った。さらに同9日の日本ハム戦ではサヨナラ打。7月の球宴でも2試合にまたがっての2打席連続アーチを放つなど、ファンに夢を与え続けた。

★阪神原口の今季の主な活躍★

◆2軍合流 3月7日、2軍に合流。鳴尾浜の室内でトレーニングを始める。

◆1軍復帰即タイムリー 6月4日に1軍登録され、ロッテ戦9回に代打で登場し、適時二塁打。

◆240日ぶり1軍甲子園 6月7日日本ハム戦で、6回代打で登場。

◆ただいま!サヨナラ打 6月9日の日本ハム戦で同点の9回2死二、三塁で代打に。中前にサヨナラ打を放った。お立ち台で「ただいま!」と絶叫。

◆球宴で本塁打 7月12日のオールスター第1戦で、9回2死一塁でコールされ、オリックス山本から左中間スタンドへ運んだ。

◆夢の2打席連続弾 7月13日の球宴第2戦で、「7番DH」で先発出場。2回の第1打席で、前夜に続き2試合にまたがっての2打席連続本塁打を放った。

◆リーグ特別賞 11月11日、プロ野球セ・パ理事会が行われ、不屈の闘志で大病を乗り越えた原口はリーグ特別賞に選出された。