しぶこばりパワーで69年ぶり野手新人王だ! ソフトバンクのドラフト1位、JR西日本・佐藤直樹外野手(21)が27日、広島市内の同社広島支社で契約合意した。契約金は1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円(金額は推定)で仮契約。球団野手では南海時代の51年蔭山和夫以来、ドラフト制では初の新人王へまずは「開幕1軍」を目標に掲げた。

ユニホームと帽子を身にまとい、若鷹の一員となった佐藤は緊張に顔を赤らめながらも言い切った。「プロ1年目、開幕1軍を目指して、将来的には日本を代表する選手になりたい」。今季は2年目の高橋礼が新人王を取ったが、野手では球団から久しく出ていない。「今の実力では全然取れるような選手じゃない。まずは開幕1軍。そこから力を付けていって、できれば新人王も取っていきたい」と即戦力になる気合は十分だ。

走力、守備力はすでに1軍レベルと球団側も評価しているが、佐藤自身「スピードとパワーですね。当たれば飛ばない方ではない」とパワーもアピールポイントの1つ。「もっと確率を上げていきたい」と成長の余地はまだまだあるが、永井編成育成本部長も「パワーはある。将来的にはクリーンアップを打てる可能性も十分にある」と期待する素材だ。

実は佐藤が現在、はまっているのがゴルフだ。「昨年オフに初めてやるようになりました。シーズン中はやっていませんが、息抜きという感じです。(ショットは)大体OBですね」。ゴルフと言えば、女子プロ界のシンデレラガール渋野日向子は佐藤と同じ98年世代。アグレッシブに、パワー溢れるプレーで世界を制した「しぶこ」のように、佐藤も負けじとプロの世界で羽ばたくつもりだ。【山本大地】

◆佐藤直樹(さとう・なおき)1998年(平10)9月3日、兵庫県生まれ。報徳学園では3年夏の県大会で、現阪神の須磨翔風・才木から本塁打を放つなど8強入り。JR西日本では3年目の今季、都市対抗にJFE西日本の補強選手として出場。14打数6安打をマークし大会優秀選手に選ばれた。日本選手権は本大会に出場したが、1回戦で敗退した。50メートル5秒8の俊足と遠投120メートルの強肩が武器。177センチ、78キロ。右投げ右打ち。