オリックス山本由伸投手(21)が30日、大阪・舞洲で契約交渉に臨み、5000万円アップの年俸9000万円でサインした。高卒4年目では、イチローの8000万円を抜き、球団史上最高額となった。「しっかり評価していただき、満足しています」とにこやかに話した。

3年目の今季はセットアッパーから先発に転向。初めて規定投球回数に到達。8勝(6敗)を挙げ、球団では14年金子以来の防御率1点台となる1・95を記録、最優秀防御率のタイトルを獲得した。「初めてのローテで少しドキドキで始まったんですが、1年間投げ切れてホッとしています」と振り返った。ただ「夏場に(左脇腹痛のため)1カ月抜けましたし、大量失点した試合もある。まだまだ足りない部分がある」と自己採点は70点と辛めだ。

来季はチームの優勝を目指すのはもちろん「個人的にはどのタイトルも取りたい。どの数字も1番になれるように」と、先発投手として最多勝、勝率第1位、最優秀防御率、最多奪三振の“4冠”独占を狙う。2リーグ分立後、投手4冠は06年の斉藤(ソフトバンク)ら8人しかおらず、達成すれば球団では初の快挙になる。

11月のプレミア12で初めて侍ジャパンも経験。セットアッパーとして世界一に貢献した。来年の東京五輪へも「思いは強くなっている」という。「もっと投げたいので」と代表での先発にも前向き。若き右腕が、来季から背負うエースナンバー18とともに、さらなるステージに向かう。(金額は推定)【高垣誠】