「富士山トレ」から下柳、能見の系譜を継ぐ。阪神岩田稔投手(36)が4日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、自身初の現状維持となる年俸3800万円でサインした。

今季は14試合先発で3勝どまり。15年目に向けて「現状維持は衰退なんで。今よりも1ランク、2ランク上げられるように頑張りたい。まだまだ、やります」と鼻息を荒くした。

今季は春先から先発ローテーションで試合を作り続けたが、夏場の2戦連続炎上で2軍に降格した。「あの2試合が悔やまれる」。猛省を糧に、10月下旬から室内で高地トレーニングをスタートさせたという。すでに標高3600メートルレベルの低酸素環境で有酸素運動も敢行。「30、40分走っても効果が(通常の)4倍。汗のかき方が全然違う」。標高3776メートルの富士山級の“高地”をベースに肉体、心肺機能の強化を進めている。

来季は37歳シーズン。虎の37歳左腕では05年下柳が15勝で最多勝に輝き、16年能見も規定投球回をクリアしている。「この年齢になって、あの方たちのやってきた大変さを実感する。1歩ずつ近づけるようにしたい。最初から最後まで1軍にいて投げ続けるのが目標です」。15年以来、5年ぶりの規定投球回到達へ。表情から自信が見え隠れした。【佐井陽介】(金額は推定)