ソフトバンク和田毅投手(38)が、開幕ローテーション入りをもって完全復活を証明する。メジャーから復帰後は左肘、肩の故障に見舞われてきたが、昨年は日本シリーズで16年ぶり勝利など存在感を示した。復帰4年目の今季に向け「やっぱり開幕からローテーションに入らないといけないと思っている。例年と違って肩、肘の状態は全然いい」と誓った。

昨年12月に熊本地震の被災者を対象にした野球教室に参加し、ロッテに移籍が決まった福田と対決。「余興」の投球ながら「不安なく腕を振れた。昨年まではまだ怖さの方が大きかったが、気温が寒いなか、しっかり振れたのは大きい」と笑みを浮かべてた。12月に30~40球からスタートしたネットスローは年末までに50球をクリア。年明けからは遠投にチャレンジする。

1月は長崎で自主トレを行う予定で「中6日で100球投げられるように調整して、2月のキャンプ初日からブルペンに入る」と宣言。2月に39歳になるベテランは若手に交じってなりふり構わずにアピールするつもりでいる。もっとも7月下旬から8月中旬まで東京五輪に合わせて中断期間があることも計算ずくで、開幕ローテを狙っている。「1度リセットできると思っているので、前半は思い切って飛ばすこともできる。自分にとってもプラスになる」。左腕先発のライバル、メジャー通算54勝のマット・ムーア投手(30=タイガースFA)との競争、西武に移籍した松坂との対決にも注目される。30代ラストイヤー、和田が完全復活をもくろんでいる。【浦田由紀夫】