意識高い系左腕だ! DeNAドラフト2位の坂本裕哉投手(22=立命大)が19日、新人合同自主トレのブルペンで初めて捕手を座らせて投球した。巨人坂本らセ・リーグを代表する右強打者をイメージして力強く腕を振った。今後も着々と調整を続け、先発ローテーション入りを目指していく。

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頭に描いた右スラッガーたちに、生命線となるクロスファイアを突き刺した。4位の東妻純平捕手(18=智弁和歌山)を相手に、予定の30球を大きく上回る42球を投じた坂本は「楽しくなっちゃいましたね」とさわやかに振り返った。

練習から「実戦」を想定する。「鈴木誠也さん、山田哲人さん、坂本勇人さんが立っていると思って、インコースに投げました。見逃しストライクを取るイメージです」。球界を代表する強打者たちも、今や憧れではなく敵となる。「対戦したい? というよりも、対戦して勝たなくちゃいけないので」と意識は高い。

器用さも見せた。この日は2種類のチェンジアップにカーブ、スライダー、カットボールと全球種を披露。初めは捕手の手前でワンバウンドしたが、すぐに修正し、低めに制球してみせた。「大学ではスライダーで空振りが取れたけどプロではどうか。もっと磨いていきたい」と、変化球の精度向上に意欲を示した。

重圧もプラス思考で力に変える。17年浜口、18年東と「大卒新人左腕」が好成績を残してきた流れに「プレッシャーですけど、それを楽しんで。先輩たちを超えていけるようにしたい」と笑顔。浜口、東に加えエース今永、石田ら好左腕がそろう状況を「競争は激しいけど、お手本になる先輩がいっぱいいる」とプラスに捉える。「1年間、しっかり先発ローテーションで回れるように頑張りたい」。意識高く、目標大きく、坂本が「左腕王国」に割って入る。【鈴木正章】