ソフトバンク甲斐拓也捕手(27)が19日、侍ジャパンの正捕手を奪い、東京五輪で金メダル獲得を狙う意気込みを明かした。

沖縄・金武町で、2年連続となるヤクルト嶋基宏捕手(35)との合同自主トレを公開。「東京五輪では捕手として会沢さんに負けないような捕手になる」と宣言した。昨年11月のプレミア12の正妻は広島会沢が務めた。嶋のもとで捕手修行して日本代表の正妻&金メダルをつかみ、チームのリーグV奪回につなげる。

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「甲斐キャノン」と称され、日本シリーズMVPに輝いて2年。甲斐の向上心は、まったく衰えることはなかった。育成からはい上がり、さらに頼れる捕手へ。レベルアップを期す沖縄での自主トレで、さらなる大きな夢を口にした。

甲斐 今年は東京五輪がある。捕手として会沢さんに負けないような捕手になる。

昨年11月のプレミア12では、ソフトバンク投手が登板する時はマスクをかぶった。だが、基本的には会沢がレギュラー扱いだった。この日も一緒に自主トレする仲間の先頭に立って、声を出した。「自分が引っ張る存在でないと」。昨年までは周囲に支えられ、投手に支えられ、先輩に支えられてきた思いがある。「今年は自分が引っ張らないといけないし、先輩も後輩もなく、自分が信頼されるようにならないといけない」と自身の進化を求めている。

今年から背番号はホークスの大先輩捕手、野村克也がつけていた「19」に変わる。自覚の表れか、体重も5キロほど落として現在80キロ。「ベストな体重を求めている」と自主トレ中も戦闘ボディーの進化を実感している。「スローイングについては正確性を向上させたい」。嶋とのキャッチボールでも、正確な「キャノン砲」を何度も見せつけた。

「昨年できなかったリーグ優勝をしないといけない」。チームの3年ぶりリーグV奪回はもちろんだが、世界の頂点への思いも変わらない。「(日本代表の)稲葉監督の金メダルへの思いは伝わる」。捕手で一時代を築いたOBの城島健司氏(43)も会長付特別アドバイザーに就任し、身近な「お手本」も増えた。会沢を超え、日の丸正捕手として、金メダル獲得の喜びを目指す。【浦田由紀夫】