キャプテンは全員。巨人は1月31日、原監督ら首脳陣、外国人選手、ファーム本隊が羽田空港から宮崎に入った。1軍は宮崎神宮で参拝を済ませ、1日から始まるキャンプの無事完走を祈願。今キャンプでは投手以外、キャプテンを置かず、各選手が「キャプテン」として鍛錬を積む。若きリーダーとして期待される岡本和真内野手(23)も背中で「キャプテンシー」を体現する。

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宮崎神宮の参道に生い茂る木々の木漏れ日を受け、岡本が歩みを進めた。1月30日まで行っていた1軍合同自主トレでのトレーニングウエアから一変。スーツ姿で参拝を済ませた。1日からいよいよキャンプが始まる。若きリーダーとしても、原監督の期待を受ける男は「僕は(リーダーとして)まだまだなので。頑張りたいと思います」とキリッとした表情のまま、短い言葉に闘志を込めた。

今キャンプでは、主将坂本が自由調整が許される「S班」としてスタート。原監督は当初は代行を置く考えを持っていたが、元木ヘッドコーチに一任。同コーチは「全員がキャプテンと思ってやってくださいと。春は自分が引っ張っていく気持ちで、個々の選手が思ってくれないとダメだと思う」と明かした。

阿部2軍監督も同じ考えだ。「キャプテンを作っちゃうと、ファームだけでいいんだと思う人がいるかもしれない。2軍は全員キャプテンと思ってやってほしいよね」。投手キャプテンは中川に決まったが、野手とファームは1人1人がキャプテンとして、自覚と責任感を求められる。

岡本も「キャプテンがいないなら、いないで。やるのは自分なので」。23歳で89代4番の重責を担い、若手選手から質問を受けるようにもなった。かねて、口癖のように言う。「優勝もそうですし、今年こそは日本一。自分が活躍したからと言われるようなシーズンにしたい」。肩書ではない。背中で示す。それが中心人物としての振るまいと信じ、20年のシーズンをスタートする。【栗田尚樹】