中日のドラフト1位石川昂弥内野手(18=東邦)が、12球団ルーキー最速の対外試合デビューをタイムリーで飾った。7日、2軍の練習試合・沖縄電力戦(読谷)に「3番三塁」で先発出場し、2打数1安打1打点。第2打席で初球のスライダーを右越えの二塁打にした。仁村2軍監督は「第3クールの実戦を見て(昇格への推薦を)考える」と明かし、今キャンプ中の1軍昇格も現実味を帯びてきた。

18歳は、雨に打たれながら笑っていた。3回1死三塁。ネクスト・バッタースボックスで待つ石川昂の顔に自然と笑みが浮かんだ。

「前の打席はスライダーで三振を取られた。前の打席で(自分が)やられたんで来るんじゃないか」

初球スライダーを狙い、振り抜くと、打球は右翼後方へ。打席から走りだした瞬間に足を滑らせ、手をついた。それでも二塁を陥れた。「1本、長打を打てて良かった」とユニホームの右膝の下を泥で汚しながら息をついた。

第1打席は、2死走者なし。4球ファウルで粘りながらも、フルカウントからのスライダーを見逃した。「三振して客席からため息が聞こえた。(2打席目は)打ってやろうと思った。高校の時は(ため息は)なかった。ああいう経験が出来て良かった」。雨の読谷に詰めかけた約500人のファンの反応を受け止め、次に生かした。

2番遊撃・根尾、3番三塁・石川昂。視察に訪れた与田監督も「2人が並んだ打線は見応えがある。将来(2人で)球界のスターになって欲しい。(三遊間も)絵になっていた」と、次代のスター候補生の三遊間に目を細めた。石川昂には「対応能力はすばらしい。ファウルでの粘りも良かった」と能力を認めた。

次の実戦は第3クール、12日のDeNA2軍との練習試合(読谷)だ。仁村2軍監督は「(調子を)落としてから、上がる段階で試合に出て欲しい。結果次第では(1軍昇格への推薦を)考えていいかもしれない」。今キャンプ中の1軍昇格へ、確かな1歩を踏み出した。【伊東大介】