<練習試合:阪神4-8日本ハム>◇9日◇沖縄・宜野座

阪神岩貞祐太投手(28)が、今季初実戦で先発ローテ入りを猛アピールした。3回から2番手で登板。先頭の万波を129キロチェンジアップで空振り三振に斬るなど3者凡退。4回は左打者の石井、王柏融をともに外角低めの直球で連続の見逃し三振に仕留めた。2回3奪三振で1安打0封。この日の5投手の中で、最も安定した投球を見せた。

対戦した7人中、5人で2ストライクまでカウントを運び、勝負を優位に進めた。直球の最速は142キロだったが「僕的には、(打者が)差されたり空振りを取れたり、いい反応をしてくれた。変化球も効いてくるし、全体的にバランスも取れていた」と好感触。緩急を駆使した投球術にも手応えだ。

矢野監督も手放しで称賛した。「すごい良かった。シーズンであれぐらい投げられたら、申し分ないというかね。勝てるピッチャーのピッチングだった。抑え方を見ても、しっかりコースも、相手の(反応を)見ている感じも内容もすごく良かった」。16年に自己最多の10勝を挙げたが、ここ3年は5勝、7勝、2勝と壁に当たっている。もちろん勝負はここから。岩貞も表情を引き締めた。「実戦でつかむことも多い。ゴロを打たせたり配球の中で打ち取ったり、計算したもの(投球)をやっていきたい」。ギアを上げ、ローテを奪いにいく。【奥田隼人】