開幕1軍へ猛アピールじゃ! 広島ドラフト5位の石原貴規捕手(22=天理大)が15日、阪神との練習試合(宜野座)で9番捕手でスタメン出場し、攻守で存在感を示した。

守っては昨季セ・リーグ盗塁王の近本の盗塁を阻止。打っては2打数2安打で、犠打も1発で成功させるなど、総合的な技術の高さをみせつけた。

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完璧なレーザービームでセ界の盗塁王を仕留めた。5回2死一、三塁の場面で、一塁走者は昨季セ盗塁王の近本。「場面が場面なので、走ってくると思った」と、打者陽川の打席の初球だった。近本がスタートすると、すかさず二塁へストライク送球。余裕を持ってアウトにし、球場を沸かせた。石原貴は「近本さんを刺せていいアピールになったと思います」と胸を張った。

打撃でもアピールに成功した。2回2死一塁からは横山の内角真っすぐを完璧に捉え、左翼線へ抜ける二塁打でチャンスメーク。4回には1死走者なしから中田の変化球を中前へ運んだ。「甘いボールは逃さないように積極的にいこうと思った」。マルチ安打に加え、6回無死一塁では初球で犠打を成功させた。「ヒット2本よりもバントを1球で決められたのが打席の中での一番の収穫です」。

ルーキー捕手ながら堂々のリードをみせた。先発のアドゥワ、薮田、一岡をリード。「アドゥワも薮田さんも最少失点で終わったので、そういう面では良い結果が出たと思います」。アドゥワは石原貴について「試合前から積極的に話かけてくれて、入りやすかった」といい、倉バッテリーコーチは「ゲームプランだったり、やりたいことの意思表示ができていた」と評価。近本を刺した送球については「ドンピシャ。最高だった」とたたえた。

石原貴は「まずは守れることが大事」と守備の重要性を説いた上で、現在の目標について「まずは1軍に残って、開幕を迎えることが一番の目標です」と宣言した。限られた少ないチャンスを確実にものにしていく。【古財稜明】

◆広島の捕手争い 侍候補で、広島の攻守、精神面の柱でもある会沢が正捕手にどっしり座る。ベテラン石原慶と打力に定評ある磯村が2軍で調整する間に、若手3選手が2番手争いに加わろうとアピール合戦を繰り広げる。週明けからは会沢の出場も増えるだけに、アピールの機会も限られる。2番手の筆頭は対外試合初戦に先発した坂倉。打力と経験で2選手をリード。昨秋から倉バッテリーコーチとともに捕手1本で勝負する覚悟を決め、早出前の自主練習を今春も続ける。この日先発の石原貴は2安打1盗塁刺と、実戦型であることを示した。16日に先発予定の中村奨も、攻守に高いポテンシャルを見せたいところ。