“ロウキの部屋”で球筋だけに集中した。ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が23日、西武との練習試合で訪れた高知・春野でブルペン入り。

吉井投手コーチの方針で、初めて報道陣完全シャットアウトで投球。「人がいない方が集中できるかなと思います」と16分間、ミットだけに視線を送った。

高さ4メートルの鉄壁が四方を囲む、約500平方メートルのブルペンを独占した。前里ブルペン捕手を含む球団関係者6人だけが居合わせた。吉井コーチは「いろいろな環境で投げさせたい」との育成方針を常々話しており、プロ入り後5度目のブルペンは“極・集中”の空間を満喫した。

26球を投げて1度休憩を挟むと、前里ブルペン捕手が座った。そこから直球のみ23球。ブルペンで捕手が座っての投球は、プロで初めてだ。吉井コーチは「1つ投球練習の難易度が上がるので、集中して投げてほしかった」と非公開理由を説明した。

前里ブルペン捕手は定位置ではなく、本塁上に座った。リリースから捕球まで約15メートル。「捕手が座ると、いい球がいったかどうかがすごく気になる。それが結果が出る前に捕手が捕ってしまうので、本当に気分よく投げられる」と吉井コーチは狙いを説明した。

佐々木朗は意図をあえて伏せられた。「6割くらいで」という吉井コーチの指示以上に力が入り、球が上ずる場面も。「捕手が座ると角度や高さが違うと思うので、その中である程度まとめながら強い球を投げていきたい」と課題を見つけた。初体験の15メートルを終え「どういう成果が得られるかを試していきたい」と、やがて来る18・44メートルの本格投球への効果を期待する。ロウキの部屋は今回限り。25日からの宮崎遠征では再び多くの視線を浴びて、15メートルに集中する。【金子真仁】