開幕ローテーション入りへ大前進! 広島ドラフト1位の森下暢仁投手(22=明大)が1日、中日とのオープン戦(ナゴヤドーム)に登板し、3回を1安打無失点と快投した。無観客の敵地で中日打線を翻弄(ほんろう)。順当にいけば開幕3戦目の22日中日戦(マツダスタジアム)で先発することが有力だ。

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静まりかえった球場に森下の快投をたたえる広島ナインの声が響き渡った。最速150キロの直球と多彩な変化球で中日打線を寄せ付けなかった。終わってみれば、3イニングで打たれたヒットはわずかに1本。無失点で即戦力の実力をみせつけた。右腕は「1球1球しっかりと投げきれた」と汗をぬぐった。

持ち味の変化球がさえ渡った。2番手で登板した5回には2死から大島を打席に迎え、2球で追い込んでからの3球目。真ん中低めのチェンジアップで3球三振を奪った。7回先頭の平田には自ら選んだカーブを外角いっぱいに決め、見逃し三振に仕留めた。森下は「いい選手から三振を取れることはいいことだと思いますけど、まだ自分のことを知らない段階での三振。これからは今日のようにはいかないと思うので、そこはしっかりやりたい」と引き締めた。

佐々岡監督はルーキーの投球を高く評価した。「真っすぐも変化球もいろいろ投げた中で、しっかり腕を振れていた」。開幕ローテーション入りの可能性については「結果も出ているしね。『確定』と言うわけにはいかない。日に日に期待は高まっている」と話すにとどめた。次戦は8日西武戦(マツダスタジアム)で先発する見込み。順当なら開幕3戦目の中日戦で先発を任されることになりそうだ。

森下は人生で初めてのドーム登板、そして無観客試合にも動じなかった。あらためて目標について「開幕ローテーションに入ること」と話した上で「1日1日が大事。しっかり準備をして選ばれたらいいかなと思います」と力を込めた。黄金ルーキーが投げるたびに輝きを増している。【古財稜明】