ルートインBCリーグの福島レッドホープスは8日、郡山市内で新入団選手発表記者会見を行った。会見は外国籍の3選手を除く9人が参加。

福島・いわき市出身の園部佳太内野手(20=いわき光洋)は「個人としてはNPB(プロ野球)入り。チームとしては日本一。福島でまたプレーできることを感謝し(県民の)皆さんを元気づけられるようなプレーをして、周りから応援される選手になりたい」と力強く語った。

園部は高校通算48本塁打を誇るスラッガー。3年夏は主砲として同校初の県大会決勝に導き、決勝では聖光学院にサヨナラ負けを喫した。甲子園の舞台には立てなかったが、6試合で20打数11安打6打点の打率5割5分で打線をけん引した。同年にプロ志望届を提出も指名漏れし、専大(東京)に進学を決めた。

進学後は人間関係に悩み、2年時に中退を決意。さらに、野球もやめるか悩んだが、高校時代から世話になっているトレーナーから「野球を続けた方がいい」と進言され、思いとどまった。園部は「複雑な気持ちもあって、ここで野球を続けるべきかどうか、結構考えて決めた。頑張ってやるしかないですね」と覚悟を決めた。

福島は15年、リーグに加盟したがNPBには誰ひとり輩出していない。園部は「NPB入りだけを考えていると、チームにも迷惑をかける。チームのために、福島のために自分ができることをプレーで示したい」。逆境を乗り越えた男が、故郷で夢を切り開く。

【相沢孔志】

○…チームの新主将に在籍2年目の小倉朋之捕手(22)が選ばれた。出身の成城大(東京)でも主将の経験があり、岩村明憲監督(41)は「NPBのキャプテンとは若干違うかもしれないが、選手たちにいろんな指示を出して、チームを一つにまとめてくれる」と期待した。チームは15日から福島・楢葉町内でキャンプを開始予定。開幕戦は4月11日のビジター群馬戦。4月19日の武蔵戦でホーム開幕を迎える。