日本野球機構(NPB)は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月20日からのプロ野球のシーズン開幕を延期することを9日、決定した。Jリーグと行った第2回の対策連絡会議で専門家から感染拡大傾向が続き、感染予防への球場の準備態勢が必要であることから延期を提言された。その後の12球団の代表者会議で延期を決め、12日にも日程再編の代表者会議を再度、行うことを決めた。4月中旬の開幕を目指す案で協議しているが、オリンピック(五輪)イヤーで全143試合を通常開催で消化するためのハードルは高い。

【プロ野球 開幕戦が延期されたら】

▼過去最遅は4月14日 2リーグ制後、最も遅い開幕日は73年の4月14日。セとパ(前後期制の前期)が同時に開幕した。当時は両リーグともシーズン130試合制。

▼開幕権消滅も セは2年前、パは3年前のAクラス(1~3位)が開幕試合を主催できる。今季は広島、ヤクルト、巨人、ソフトバンク、西武、楽天がホームの予定だった。東日本大震災のため開幕が延期された11年は、延期後の初戦が開幕権通りに開催されなかった。

▼ダブルヘッダーは 日程が詰まるとダブルヘッダーを行う可能性も考えられる。両リーグで最後に行われたダブルヘッダーは、98年10月10日の横浜-中日戦(横浜)。

▼シリーズは 日程がずれると、11月7日開幕予定の日本シリーズもどうなるか。過去最も遅い開幕は、毎日が松竹を下して初代日本一となった50年の11月22日。

【新型コロナウイルスをめぐるプロ野球界の動向】

◆2月25日 巨人が29日と3月1日のオープン戦無観客試合を発表。

◆同26日 12球団代表者会議を臨時で開き、3月15日までに予定されているオープン戦と教育リーグの無観客開催を決定。

◆3月2日 NPBとJリーグが合同会見を開き「新型コロナウイルス対策連絡会議」の設立を発表。

◆同3日 第1回会議を開催し、専門家から開催時のファンの応援スタイルのリスクを指摘される。

◆同9日 第2回会議で公式戦の開幕延期が決定。イースタン、ウエスタン両リーグは3月中を無観客の練習試合とした。