<オープン戦:西武1-0ヤクルト>◇14日◇メットライフドーム

ヤクルト小川泰弘投手(29)が、逆襲のシーズンへ着々と準備を進めている。「直球と転調」の2テーマを遂行。西武の若き山賊打線を5回1失点に抑えた。

序盤は直球の強さと精度を確認した。2回2死一、二塁、打者山田。初球スライダーでストライクを奪うと、3球続けて外角低めいっぱいにピンポイントの直球。中村のミットを動かさず空振り三振とした。「分かっていて打てないストレートがないと通用しない」。2巡目に入り「3球勝負を意識した」と一気にテンポを上げ、高低もワイドに使った。

3回1死、西武山野辺の2打席目。カウント1-1から高め直球でファウルを誘った。最後は内角低めのチェンジアップで空振り三振。外角に集中した初回の3球三振に続き完勝した。

最速は146キロ。セットポジションになっても球威は落ちなかった。オフから継続している下半身を強化するトレーニングがつながっていると実感。「150キロを投げても、ヒットを打たれたら意味がない。力だけでいく投球にはしたくない。どうしたら打ち取れるか、を考えている」とクイックも織り交ぜ、総合力の高さを示した。

開幕投手は40歳の石川に決定し、小川は2戦目を任される見込み。高津監督の「いい投手から投げさせたい。いい投手に、多く試合を投げてほしい」という構想のど真ん中にいる。「真っすぐに関しては、ほぼ満点。ここ数年の質はいまいちだったが、入ってきた頃に近づいている」とうならせた。極寒の中でライアンの仕上がりが際立った。【保坂恭子】