宮崎の隠れた名物と言えば、女性の握りこぶしほどもある「なんじゃこら大福」。宮崎出身・巨人戸郷翔征投手(19)は23日、川崎市のジャイアンツ球場のブルペンで“隠していた”「なんじゃこらボール」を解禁した。

スライダーのような軌道で、何度も捕手のミットをすり抜ける。初見では“なんじゃこらボール”。「結構ありましたね」と不気味に笑った。正体は聖心ウルスラ時代に使っていたカットボールだった。

“商品企画”のアイデアは、宮崎と同じ九州の場でつかんだ。10日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で4回途中10失点。2年目のシーズンに向けて、さらなる引き出しが必要だと痛感した。「ゲッツーほしいときに内野ゴロ打たせたいですし、1球で2アウト取れたら楽なので」。開幕が延期したこともあり、高校時代の懐かしい“味”を復活させた。

見て、振って、捕ってビックリ。そんな軌道が理想だ。握り方は独自の“ブレンド”。「カットが、逆にシュートしたりしてもいいかなと思ってます。どんな軌道になるか分からない球が一番かなと。捕手にも分からないようなやつ(笑)。スライダーも、抜けて逆に曲がってくれたりとかもある。シュート投げて真っすぐっていうのもある」と“製造元”も摩訶(まか)不思議のボールで、勝負をかける。

お披露目の日も近い。25日の中日との練習試合(ナゴヤドーム)に先発する。「試合前のブルペンで試してよかったら試合で使ってみようかな」。先発ローテは有力であり、まだ当確ではない。つぶあんの中にクリ、イチゴ、クリームチーズが入ったボリューム満点の「なんじゃこら大福」。そんな地元の銘菓に負けない存在感を「なんじゃこらボール」で表現し、開幕ローテにどっしり座る。【栗田尚樹】