真上から最速147キロの角度ある直球を投げ込む。関大の左腕、高野脩汰投手(3年)は元レッドソックス岡島のように顔が1度下を向き、反って投げるため腕を真上から振り下ろすことができる。「小学生のころからです。普通の投げ方じゃない。中学から直球とスライダーのほぼ2種類でした」。

昨秋の関西学生リーグは8試合で53回2/3、3完投1完封の4勝0敗。防御率1・01で4季ぶりのリーグ優勝に貢献。MVPも獲得した。だが左肘痛のため準優勝した秋の明治神宮大会ではほぼ投げられなかった。

その後は慎重な調整を続けてきた。24日のオープン戦で登板し「実戦は2、3週間ぶりだったが、痛みなく投げられた」と順調に回復。さらにこれまで1試合数球だったフォークに磨きをかけた。「いい場面でも使えるくらいにはなってきました」と投球の幅を広げている。

今秋のドラフト候補で左腕は少なく上位指名のチャンスも広がる。「今年の評価次第。関東などの左腕に負けないようにしたい」。オフには体重も4キロ増やし体も大きくした。リーグ秋春連覇で、全国大会へ進み、高野の名をとどろかせる。【石橋隆雄】