新型コロナウイルス感染から回復した阪神伊藤隼太外野手(30)が23日、兵庫・西宮市内の球団施設で代表取材形式による会見を行った。3選手が参加して、球団外の女性3人の感染も判明した3月14日の知人宅での食事会について「自覚が足りなかった」と猛省。プロ野球選手として信頼を取り戻すと誓った。

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伊藤隼の表情はこわばっていた。「新型コロナウイルスに感染したことによって阪神球団、球団関係者、スタッフ、チームメート、中日ドラゴンズの球団関係者の方々、プロ野球全体の多くの方にご迷惑をおかけし、申し訳ないというのが率直な気持ちです」。慎重に言葉を選び、謝罪した。

伊藤隼は3月26日深夜に新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査で陽性判定を受け、翌27日から入院。4月5日に退院した後、自宅待機を続けてきた。感染経路が疑われたのは選手7人を含めて13人以上が参加した3月14日の知人宅での食事会。参加した選手の同居家族にも感染者が出た。年長者だったこともあり、罹患(りかん)までの行動に疑問の声が上がった。

「知人の方にお誘いいただいたんですけど、その時に自分自身もそんなに深く考えずに参加してしまった。自覚が足りなかった。(厳しい声にも)目を背けるのではなくて、真摯(しんし)に受け止めるべきと思います」

24日から約1カ月ぶりに本格的な練習を再開する。「本当に多くの人に迷惑をかけてしまったという思いがあるので、プロ野球選手である以上、それはグラウンドで取り返していくしかないと思っています」。入院、自宅待機中もファンから励ましの言葉や心配の声が届いたという。応援してくれるファンのためにも、プレーで応えるしかない。