中日の抑え候補筆頭の岡田俊哉投手(28)が7日、ナゴヤ球場での自主練習後に代表取材に応じ、習得中のシュートへの手応えを口にした。ベテラン吉見とともにブルペンで立ち投げを行い、右打者対策の新球について「すごく精度が上がってきた。打者に早く投げたい」と対戦を渇望。R・マルティネス、藤嶋らとのクローザー争いで新兵器になりそうだ。

   ◇   ◇   ◇

吉見との2人1組での自主練習。アメリカンノックでの下半身強化、ブルペンでの立ち投げを終えた岡田は満足げな言葉を残した。「今シーズンはもう1度シュートにチャレンジしていて、それがすごく精度が上がってきた。打者に早く投げたい気持ちはあります」。1勤1休、約1時間30分に限られた自主練習の中で新兵器に手応えを感じていた。

昨季は中盤からクローザーを務めて13セーブを挙げた。ただし、対戦打率は左打者の1割6分7厘に対して、右打者は2割7分7厘。巨人坂本と広島鈴木誠にはともに4打数3安打、DeNAソトにも2打数1安打とライバル球団の主軸に弱点も見せていた。その対策としてオフから内角をえぐるシュートに磨きをかけ、開幕守護神の座を当確させた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大で開幕が延期し、R・マルティネスや藤嶋らとの守護神争いは再燃。勝ち抜くための武器をさらに高めていた。

休日はクッキー作りをするなどし、2児の子育てをするイクメンに変身する。「奥さんは子ども2人の世話をしながら洗濯、掃除をして、ご飯を作ったり。僕1人じゃ無理です。野球をやらせてもらっているが、子どもを育てていくことはすごいことなんだ。日に日に奥さんを見て実感しています」。ステイホームの中で家族のありがたみも胸に刻んだ。

ファンへのコメントを求められると、きっぱり言った。「大歓声のナゴヤドームでプロ野球ができる時まで今は我慢して一緒に乗り越えて、勝った時の喜び、負けたときの悔しさを一緒に味わって戦いたい」。左腕の脳裏には本拠地マウンドの最終回に立つイメージが浮かんでいたはずだ。

○…岡田は自主練習期間のパートナーであるベテラン吉見について「本当にすごく走られる方。ついていくのが精いっぱい。練習する姿勢を見ながら、自分も盗むところは盗んでやっています」と語った。過去に最多勝、最優秀防御率に輝いた7歳上の先輩の一挙手一投足を見つめながら練習を続けている。