プロ野球の最短開幕目標、6月19日まで1カ月となった19日、DeNAが横浜スタジアムで寮生を除く1軍練習を再開した。3月25日の練習試合以来、久々に選手の動きを確認したアレックス・ラミレス監督(45)がオンライン取材に対応し「開幕から100%で」と決意表明。超攻撃型オーダーも視野に、短縮シーズンを突っ走る。

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雨の中、55日ぶりにユニホーム姿の選手たちを見守ったラミレス監督の満足感は、パソコンの画面越しにでも伝わってきた。

「率直にみんなと会えたのは、すごくうれしく思います。高いモチベーションも感じられたし、コンディションも見られました」

コロナ禍で開幕が延期となり、公式戦の試合数減は不可避。異例なシーズンに向け、気を引き締めることも忘れなかった。「シーズン序盤に調子が良くなくて、後で挽回するという考え方はよくない。ずっと言っている『デイバイデイベースボール』を最初からやって、開幕から100%でいって、高い集中力でシーズンを乗り切っていくことが重要」と、力強く言い切った。

選手の仕上がりに納得の指揮官だが、特に目を引いたのが新外国人オースティンだ。オープン戦4本塁打は12球団トップタイ。この日の打撃練習でも柵越えを連発した大砲に「打ち方やタイミングの取り方が、オープン戦や練習試合ですごく状態が良かった時のフィーリングを失っていないのかなと。状態をキープしてると思う」と太鼓判を押した。また、2年連続本塁打王のソトと来日8年目を迎えるロペスについては「状態が上がるまでにもうちょっと時間はかかると思うけど、そこまで悪くない」と分析した。

この助っ人3人衆がそろい踏みすれば、超攻撃型のオーダーで開幕に臨める。オープン戦では主にオースティンが「2番右翼」でソトが「3番二塁」。3月中旬に右手首違和感で1軍を離れたソトだが、開幕延期となったことで、万全な状態でシーズンに入れそうだ。さらにオープン戦全試合で4番を務めた佐野に関しては「基本的にそのプランは継続しようかなと思う。すごく状態もよかったね」。オープン戦で12球団1位の11打点を稼いだ新キャプテンへの信頼も揺るがない。

今春キャンプ初日に掲げたのは、相手や球場などにより、日ごとに(Day by day)オーダーや戦い方を変える「デイバイデイベースボール」だった。策士ラミレス監督が、超攻撃型布陣を含めて、開幕に向けてさまざまなプランを練り上げるのは間違いないが、1つだけ、決まっている。開幕からアクセル全開で、シーズンを駆け抜ける。【鈴木正章】

○…ラミレス監督が公私ともに気持ちを切り替えた。外出自粛で増えた自宅時間は「家にずっといるということに慣れなかったけど、子どもたちと、どう過ごすかをポジティブに考えるようになった。一時は、野球のことを完全に忘れるくらい家族のことに集中していたよ」と、インスタグラムに家族と楽しむ様子も公開していた。チーム練習が再開し「もちろん今は切り替えて、自分の仕事、野球を中心に考えています」とキッパリ。家族愛もさらに深まり、より野球に集中していく。

▼DeNA超攻撃型予想布陣

1番(中堅)梶谷

2番(右翼)オースティン

3番(二塁)ソト

4番(左翼)佐野

5番(三塁)宮崎

6番(一塁)ロペス

7番(捕手)伊藤光

8番(投手)今永

9番(遊撃)大和