6月19日の開幕に向け、慌てず急ぐ。DeNAが28日、全体練習再開後初の紅白戦(7イニング、特別ルール)を実施した。見守ったアレックス・ラミレス監督(45)は、約2カ月間の自主練習期間で調整を続けてきた選手の仕上がりに上々の手応え。今後は30日に紅白戦、6月2日から12試合の練習試合を経て本番へと進む。実戦再開から開幕まで3週間の「短期調整」が本格化した。

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横浜スタジアムのスコアボードが再稼働した。1番神里、3番オースティン、4番佐野が並んだ紅組が先攻。後攻の白組は1番梶谷、3番ソト、4番ロペス、5番宮崎が、紅組先発のルーキー坂本に初回から襲いかかった。2死満塁から乙坂が走者一掃の3点適時二塁打をマーク。久々の実戦を感慨に浸っている時間はない。限られたアピールの場でナインが一斉に動きだした。

6月19日に設定された開幕日まで、あと3週間。30日の紅白戦と6月2日から4カード12試合の練習試合の実戦が準備期間になる。ラミレス監督は「久しぶりに試合ができて、とてもいい気分だ。何人か予想以上の仕上がりの選手がいた」と、投手陣では浜口、平良、上茶谷の名前を挙げた。野手陣も「全体的によく振れている」とし、梶谷、ロペス、乙坂を評価した。

120試合という異例のペナントレースは準備期間もイレギュラーが重なる。指揮官は「通常のシーズンは(開幕までに)60打席ぐらいで状態が上がってくる」としたが、今季に限っては4打席で12試合を想定しても届かない。一方で「急がせて無理に状態を上げるとケガにつながる」と懸念。練習試合は主力選手に打席数を最大限確保させ、開幕時は「70~80%ぐらいまで上げて(先発投手は)5、6回ぐらいを投げられる状態にしてもらう。シーズンが進むにつれて状態をもっと上げてくれれば」と話した。ラミレス監督が慌てず、急いでチームを仕上げていく。【為田聡史】