阪神の新助っ人ジャスティン・ボーア内野手(32)が目の覚めるような痛烈安打で、開幕へ再スタートを切った。紅白戦の紅組「4番一塁」で先発。2回先頭の第1打席の初球、白組先発西勇の甘く入った141キロ直球を完璧に捉えた。「今日は積極的に打っていこうと思っていたし、それを実践できてよかった」。打球はあっという間に一、二塁間を抜けた。

メジャー通算92発の看板を引っさげ、4番候補として新加入した左の大砲。しかし、春季キャンプから対外試合15試合で39打席ノーアーチと低迷していた。約2カ月ぶりの実戦となった紅白戦。開始前のシート打撃ではタイミングをうまく取れず、積極的なスイングを意識したという。2球目を打って左飛となった4回の第2打席も、初球をファウル。この日は2打席全3球にバットを出し、実戦の感触を取り戻すことに努めた。

浮上を予感させる豪快安打に矢野監督は「やっぱり芯に当たればすごい打球がいく。ここからもっと状態が上がると思う。そのきっかけにしてくれれば」と代表取材に答えた。開幕4番が濃厚のB砲は「4番は好きな打順。多くの場面でランナーをかえす状況だと思うので(4番を)打たせてもらっていることに感謝し、期待に応えられるよう頑張りたい」と頼もしかった。【奥田隼人】