虎の将は理想の上司! 阪神矢野燿大監督(51)が30日、オンラインでファンとつながる「FUN FAN ファンミーティング」に参加し、私生活での悩みにアドバイスを送った。

プロ野球界で働くこと30年。選手、コーチ、2軍監督を経て、人気球団の1軍監督まで上り詰めた男の言葉は、重みがあった。社会人7年目の女性からは、今年初めて部署異動を経験したことを踏まえ「監督就任1年目の時、悩んだときにどう乗り越えてきましたか」と質問。指揮官は直属の上司のように? 親身に寄り添って声を掛けた。

矢野監督 僕もめっちゃ落ち込む。もうちょっとやれたんじゃないか、選手に指導が出来ているのかなとか。いろいろ不安や悩み、弱さは僕も多くある。

冒頭は自分の意見を抑えて、まずは共感。できる上司だ。指揮官は続ける。

矢野監督 でも新しい部署に行くのは、新しい自分を発見するチャンスだと思う。不安ってみんなあって当たり前。僕もそうなんですけれど、良い想像をするように心掛けている。無理にポジティブに持っていくとしんどくなるけれど、「(自分が今)マイナスになっている」と気付けた時点でOK。それがプラス思考。大丈夫です。

他の質問にも「夢を語って想像したら、不安はちょっと小さくなる」という金言や、選手に2軍降格を言い渡す際には「監督室に呼んで、なるべく直接伝えるようにしている」と明かすなど、人柄を前面に出してファンサービスした。1つの質問に約4分ずつ、丁寧に答えた。昨年、本紙ウェブサイトで投票を募った「セ・リーグ監督、理想の上司は誰?」でも1位に輝いた指揮官。明るくポジティブで情に熱い男が将ならば、虎は強いはずだ。【只松憲】