開幕へ、視界良好だ。先発枠入りが濃厚な新戦力の日本ハムドリュー・バーヘイゲン投手(29)が4日、ZOZOマリンスタジアムでロッテとの練習試合に先発。3回を3安打無失点と無難にまとめ、順調な仕上がりをアピールした。来日1年目はコロナ禍に見舞われ不自由な生活を余儀なくされたが、健康的な生活を順守して、これから始まる困難なシーズンを乗り越える。

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気温30度近くまで上がった日差しにも負けず、涼やかに44球を投げきった。開幕ローテ入りが有力な新戦力バーヘイゲンは、ピンチにも動じなかった。立ち上がりの1回、いきなり先頭を四球で歩かせ、続く角中に左前打を許したが、3番福田秀を外角低めで遊ゴロ併殺に打ち取った。「最初の打者を出したからといって、焦らないように。それぞれの状況の中で、いかにベストを尽くせるか」。2回も1死一塁から打たせて取って、併殺打でピンチを切り抜けた。

この日最速は153キロを記録。持ち味のムービング・ボールで、バットの芯をうまくかわした。「全体的に良い感覚で登板できた。打者と対戦して、やっぱり野球は楽しいなあと」。先頭打者に粘られ8球を要したが、集中力は途切れなかった。「日本の打者は粘る。日本の野球と米国の大きな違い。できるだけ早く特徴をつかみたい」と、意欲的だ。

来日1年目で遭遇した、未曽有のコロナ禍。札幌で自粛生活を送りながら、初めて臨む異国でのシーズンに備えた。開幕後には、6連戦という過密日程が待っているが「自分にできることは、寝る、しっかり睡眠を取る、健康的な食事を取ることだけ」と自らに課し、万全を期す。栗山監督は「課題も良さもふくめて、思った通りに進んでいる感じがする。暑い中、よく投げてくれた」。新天地での開幕まで、残された登板機会は、わずか。生真面目な助っ人右腕は、本番まで静かに牙を研ぐ。

日本ハム木田投手コーチ(3月11日オープン戦以来の実戦登板となったバーヘイゲンに)「久しぶりの対外試合で最初は力みもあったけど、途中からバランスが良くなったし、腕もしっかり振れていた。ボールも動いていたし、いいピッチングだった」