道内初の高校女子硬式野球部、札幌新陽の石井宏監督(56)が、本年度限りで同校を退職することが10日、分かった。既に2月から同校と引き継ぎ時期を話し合ってきており、来年度の生徒募集などにも関わることから、この日、青山真里子コーチ(26)への監督交代が決まった。石井監督は来年3月まで3年生部員の進路指導などに携わりながら、青山新監督をサポートする。

今夏の全国高校女子選手権は中止となったが、10月に予定されている代替大会は、石井監督が指揮を執る。同監督は「状況次第でどうなるか分からないが、開催されたら私にとっても3年生にとっても引退試合。日本一を目指したい」と意気込んだ。チームはコロナ禍で道外の実家に帰省している部員もいるが、集まれる一部の部員で7日から屋外練習を開始。石井監督とのラスト大会に向け、状態を上げていく。

同監督は元阪急投手で、17年4月の部発足時に初代監督に就任。2年目の18年春、全国高校選抜で全国1勝すると、3年目の昨夏には、全国高校女子選手権で4強に導くなど、同校躍進の土台をつくった。来春以降は未定だが「高校や大学など、男女問わず私を必要としてくれるところがあれば。野球の指導を続けたい」と話した。