「ゼロの男」はシーズンでも健在だった。阪神秋山は今季初先発で6回0/3を6安打で無失点。自慢の制球力を無四球で表現し、2月の練習試合から続く無失点を34回に延ばした。

17年の12勝右腕もここ2年は計9勝どまり。「ここ何年か思うような成績を残せていなかった。今年はローテーションを守るという気持ちでマウンドに立ちました。その1試合目だったので、気持ちはすごく入っていました」。1球のミスが命取りになる狭い神宮で、丁寧にコースと低めを突き続けた。直球は130キロ台でもキレがあり、何度もバットを押し込んだ。

0-0の7回に先頭から2者連続安打を許したところで降板。「ああいう場面を投げ切らなければ勝つことはできない。そこは反省したいです」。秋山自身は高みを目指して納得しなかったが、矢野監督からは「素晴らしかったね。よく粘って丁寧にボールを投げてくれていた」と絶賛された。

勝ち負けはつかなかったが、先発ローテの一員として間違いなく存在感は高まった。チームは開幕から2カード連続負け越しで早くも借金4。次回こそ、苦しむ虎を勝利に導きたい。【佐井陽介】