ソフトバンク工藤監督の言葉が重かった。一時は逆転に成功し、自慢のリリーフ陣で逃げ切り態勢を図ったが、8回にまさかの満塁被弾。「すみませんでした…。投手は打たれる時もある。しっかり切り替えて次につなげてほしいです」。開幕して7戦目で、通算3本目の満塁弾を浴び、逆転負けした。

栗原の適時打で追いつき、柳田が勝ち越し打。1点リードで迎えた8回、マウンドには予定通りに岩崎を送った。1死後、カウント0-2から山川に四球を与えると連打で満塁のピンチを招いた。栗山を一塁ゴロに打ち取り、2死までこぎつけた。木村を抑えればピンチ脱出だったが、149キロの直球を左中間スタンド深くに運ばれた。21日ロッテ戦(ペイペイドーム)でルーキー津森が井上に、23日西武戦(メットライフドーム)でムーアが西武スパンジェンバーグにいずれも満塁弾を浴びた。そして岩崎がまさかのチーム3本目。「巨(東浜)にも野手の方にも本当に申し訳ないです」と岩崎も下を向いた。

 

2連投していたモイネロは左肩に張りもあり、この日は最初から休ませる意向だった。7回嘉弥真。そして「勝っていたら8回は岩崎でいくつもりだった」。逆転に成功し、想定通りに試合を進めていたが、悪夢が待っていた。「岩崎君はいい球も行っていた。結果打たれたけど、ポジション(セットアッパー)を変えるつもりはない。さらに気持ちを込めて、次こそはいい結果を出してもらいたい」とリベンジに期待した。

3連勝での貯金生活を目前にしながら、再び借金1。工藤監督は長い長いメットライフドームの階段をゆっくり登り、球場を後にした。明日からの巻き返し策で、頭はいっぱいだったに違いない。【浦田由紀夫】