小さな巨人の1勝が、またもすり抜けた。ヤクルト石川雅規投手(40)は、巨人を6回1失点に抑えた。勝利投手の権利を手にして降板したが、守護神石山が逆転を許し40代初勝利はならず。「先制されたが、なんとかその後は粘りの投球ができました」とコメントした。

高めに浮く球は皆無。ストライクゾーンのスレスレに徹頭徹尾、集めた。ときに大胆に攻めた。2回に初球を1号ソロとされた陽岱鋼の第2打席。初球にど真ん中の121キロシンカーでストライクとし、最後は遊飛。6回には坂本、岡本をシンカーで連続三振。2死一塁で、パーラに対して全6球を外角低めに投げ、空振り三振。高津監督は「低く集めたり、タイミングを変えたり。さすがだなという所。勝ち星をつけてあげたかったのが正直なところ」と明かした。

雨中の開幕戦、5回3失点で勝ち投手の権利を得て降板。しかし中継ぎ陣が打ち込まれた。延長戦の末に敗れたが、クラブハウスには石川の「明日、明日!」という声が響いたという。ピンチで好守を見せた村上には「ムネ、ありがとう」と感謝も忘れなかった。5年ぶりの規定投球回数到達、通算200勝、何よりもチームの勝利。石川は諦めない。【保坂恭子】

▽ヤクルト山崎(6回1死一、二塁で右前適時打)「石川さんが素晴らしい投球をしていたし、(山田)哲人さんがチームに勢いをつけてくれたので、その勢いに乗って打つことができました」

▽ヤクルト嶋(6回2死一、二塁で2点適時二塁打)「この回で流れをこちらに持っていけるムードだと思ったので、必死に打ちました」