今季ロッテから移籍した楽天酒居知史投手(27)が、最高の形で移籍後初勝利を挙げた。日本ハム5回戦に5回2死一、二塁から2番手で救援。先発松井が4失点後のリリーフ登板で、相手打線の流れを完全に断ち切った。その裏、楽天打線は10得点の猛攻を見せ、同一カード勝ち越しを決めた。

ピンチでも臆することはなかった。清水をテンポよく3球で追い込み、最後はシュートを内角に投げ込み、左飛に抑えた。「前回打たれているので、点は与えられないと思ってマウンドに上がった。しっかり流れを断ち切ることができてよかった」。前回登板の25日は、1回1失点でリードを広げてしまった。この日は打者1人との対戦だったが、チームに勝利を呼び込み、自身の初白星にまでつなげた。

酒居をコールした三木肇監督は「1、2点取られると厳しい展開になっていた。バッテリーを中心に抑えて、次の攻撃を迎えられたことが大きかった」と振り返った。伊藤智仁投手チーフコーチも「よく抑えてくれたと思います。終わってみれば、あの場面で1点与えなかったことが、大きかった」と首脳陣が口をそろえて、褒めたたえた。

昨季はロッテで54試合に登板。25ホールドをマークし、実績ある中継ぎ右腕が加わった。石井GMは「リリーフ陣を厚くしたい」と期待がかかる。酒居は「イーグルスに来た当初からずっとアットホームな印象がありました。皆さん気さくで最初からチームにとても溶け込みやすかったです」。過密日程の今シーズン。タフな中継ぎ陣の一翼として、酒居が輝いてみせる。【佐藤究】

楽天酒居(4球でロッテから人的補償で移籍後初勝利)「素直にうれしいです。イーグルスに来た当初からずっとアットホームな印象があった。みなさん気さくでチームにとても溶け込みやすかったです」